ウェブがかり

アナログ好きですがウェブの仕事してます。ウェブの話、日頃の話をつれづれと。

炎上ニュースから、UXについて考えてみた

こんばんは、ウェブがかりのサチコです。

間もなく10月も中旬を迎えます。涼しくなってきましたね。

 

今日は世間で話題になったことから、UX(ユーザー体験)について考えたので一筆。

つい最近、Twitterの投稿で批判が殺到したセレクトショップ

まだ記憶に新しい方も多いのではないでしょうか?

ユーザー体験はなんのために存在する? 

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ユーザー体験は、様々な場面での生活者の体験を指す言葉として広く認知されるようになりました。

その一方で、一部にとって都合が良かったり、知らなかったことで不利益を被ったりと、ユーザーとコミュニケーションをとる場面が増えてきたことによる弊害も出てきています。

 

なぜここまで炎上したのだろう?

純粋な疑問として、それがまずありました。

そこで、この日のできごとをユーザー体験として分解して、考えてみることにしました。 

求められていたユーザー体験と提供側の認識のズレ

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炎上のきっかけは、あるお客さんの「お酒を片手に接客だなんて!」という心情が吐露された写真付きのSNS投稿。

閉店後にパーティーが予定されており、閉店前に招待客が予定より早く来店したそうです。その時、スタッフが招待客と一緒に閉店前から飲み始めた、という状況でした。

 

本来、このショップが期待されていたサービスは、

・素敵な商品を提供することで、生活者の暮らしを豊かにする

ということなのかなと思います。

 

しかし、ショップ側は

・招待客が大事 / 彼らを待たせて機嫌を損ねるのは面倒だ

→既にパーティーが始まっているかのように振舞ってもいいのでは?

と考えてしまったと推測されます。(あくまで想像の域でしかないですけど)

 

招待客の人たちからすれば、

・商品を見ながら、パーティーが始まるのを待ってればいいかな

→ちょっと早く着いちゃったけど、ドリンクを提供してくれた!ラッキー!

→せっかくだし、お店の人たちと乾杯もしておきたいな

 くらいの受け取り方だったでしょう。

 

ですが、パーティーの招待客ではない一般客からしてみれば、

・なぜお酒を飲みながら接客しているの?

→ここはそういうお店ではないよね?

→そもそも接客する気がないんじゃない!?

と接客態度の悪さをユーザーの体験として受け取ったのです。

(私も同じような接客をされたら、いくら商品が素敵でも二度と御免です…)

 

そして、普段のユーザー体験があまり良くなかった、その場にいない人たちのくすぶっていた怒りにも火をつける結果になって、炎上したのだろうと考えられます。

(一部、同じようにユーザー体験が悪かったという方達のお話が出てました。)

 

本来、求められていたユーザー体験を提供されなかった上に、最悪な体験をさせられたんだから、怒ってしまうのは当然ですよね( ;´Д`)

必要なのはユーザー体験の設計と共有

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ユーザー体験は、Webに限った事ではありません。

何か商品やサービスを提供する現場の人は、Webだけ、あるいはリアルだけといった視野に陥ってしまいがちですが、実際にはすべての場面がユーザー体験につながります。

 

自分がもし、この商品やサービスのユーザーだったらどう感じるか?

このユーザー視点が抜け落ちていると、ユーザー体験をグチャグチャにしてしまうかもしれません。

 

あなたが商品を買う時に、店舗で良さそうな商品があったとき、ネットで酷評されていると知っていてもあっさりと購入するでしょうか?

店頭でガムをくちゃくちゃと噛み、いかにも態度の悪い店員から「人気だから買うべきです。今買わないと売り切れますよ。」と押し売りされたらどうでしょう?

おそらく手に取っても、そっと棚に戻してしまうでしょう。

 

私はクライアントの商品やサービスのプロモーションを支援するので、どちらかといえばクライアントと一緒にユーザー体験を考える立ち位置です。

 

だからこそ、商品やサービスに愛情を持って、それらを求める生活者にきちんと届けるために、ユーザー体験をきちんと設計することが重要だと考えています。

そして、必ず商品やサービスを実際に提供する現場と共有するべきだと考えます。

設計だけで満足していては、先の例のようなユーザー体験のミスマッチがきっと起こります。

 

小さな綻びが、大きな事態につながる時代です。

小さな心配りが、大きな感動につながる時代でもあります。

明日、あなたが手に取った商品について、自分のユーザー体験がどんなものか、ちょっと考えてみませんか?